口内炎
こうないえん
〔歯科・耳鼻咽喉科・内科〕
原因/治療
口の中の粘膜にできた炎症を口内炎といいます。普通、粘膜が赤くなり、痛みを伴った炎症が現れます。ただれや潰瘍ができ、出血を伴う場合もあります。症状が進行すると食事ができなくなったり、体温が上がるなど症状が全身に及ぶこともあります。症状が軽い場合は、食事の際にしみたり、触ると痛みを感じる程度で、1週間程度で治まります。
口の中にはさまざまな種類の細菌が共存しており、体力の低下などでバランスが崩れたときに免疫力が弱まり、粘膜が細菌に感染して炎症が起こると考えられます。また、消化器系の疾患、妊娠時やビタミンB・C摂取の不足など、全身性の疾患や体調の変化、栄養状態などが影響して口内炎ができる場合もあります。
治療には、抗生物質や副腎皮質ホルモン剤を塗りますが、基本は食事などに気をつけ、体力の回復に努めることが大切です。参考として口内炎を予防する食品をあげます。同時に、うがいの励行など口の中を清潔にするようにします。全身性の疾患で起きたものは、原因である病気の治療が必要です。ビタミン欠乏が原因の場合はビタミン剤の補給を行います。
口内炎を予防する食品
予防や痛みの軽減には、消化が良く、栄養のある食事を規則正しく取ることが大切です。刺激のある料理は良くないため、熱すぎるものや冷たすぎるものは避け、味は薄味にします。口内炎に対する抵抗力をつけるため、ビタミンの摂取も欠かせません。またタバコは口内炎に非常に良くないので炎症の強い時は禁煙が必要です。
ビタミンB2
ビタミンB2が不足した場合、まず症状が現れるのは、唇、舌、目などの粘膜部分です。口内炎や、口角炎がよくできる人はB2不足かもしれません。レバー、牛乳、鶏卵、小麦全粒粉、ビール酵母、魚などがビタミンB2を含む食品です。ビタミンB2は、エネルギーの供給に役立ち、過労時に起こりやすい口内炎の予防につながる、大切なビタミンです。体内にためておくことはできないため、毎日補給する必要があります。
ビタミンB6
タンパク質代謝の主役であり、脂質の代謝、ヘモグロビンの合成にも働いています。免疫機能を維持するためには欠かせない栄養素です。不足するとアレルギー症状が出やすくなるので、きちんと摂取することが必要です。ビタミンB6を多く含む食品は、レバー、牛乳、鶏卵、小麦全粒粉、ビール酵母、肉などです。主食を小麦全粒粉を使ったパンや胚芽米にすると、かなりの量が補給できます。
ナイアシン
先に述べたビタミンB2、B6と共にナイアシンが不足すると、粘膜に異常が生じて、口内の粘膜が傷つき、強い痛みを伴う口内炎になります。レバー、肉、魚などには、豊富に含まれています。ビタミンB1、B2、B6が不足すると、ナイアシンの合成能力も低下するため、併せて摂る必要があります。
ビタミンA
ビタミンAが不足すると粘膜が乾き、傷つきやすくなります。ビタミンAを多く含む食品は、レバー、うなぎ、銀だら、ほたるいか、小松菜などになります。吸収がよいのは、レチノールを含むレバーなどの動物性食品です。