top of page
執筆者の写真みそら薬局

LINEで処方せん受付中の流山おおたかの森にあるみそら薬局から眼精疲労について。


眼精疲労

がんせいひろう

〔眼科〕

原因/症状/治療

 長時間、本を読んだりテレビを見るなどして目を持続的に使ったとき、目の疲れやかすみを強く感じる、ものがだぶって見える、頭が重くなる、吐き気がする、といった症状がおきる状態を眼精疲労といいます。ひとつの症候群で、目の使いすぎだけでなく、さまざまな原因が組み合わさっておきます。近年ではVDT症候群という、長時間のパソコンが原因となる眼精疲労も増加しています。

 眼精疲労の症状は複雑で多岐にわたりますが、いずれも強い自覚症状があります。目の疲れやかすみ、まぶしく感じる、目が充血する、涙が止まらなくなる、などの目の症状から、頭痛、頭が重い、肩こり、吐き気、下痢、便秘など、目以外の部分に出る症状もあります。さらに、イライラして根気がなくなり、不安感におそわれたり、憂うつになるなど精神的症状を訴える場合もあります。

 眼精疲労には、さまざまな原因が考えられます。代表的なものは目の病気で、遠視や乱視などの目の屈折異常、斜視、結膜、角膜の病気、緑内障などがあります。更年期障害や高血圧、心疾患、腎疾患、自律神経やホルモン、代謝の異常など、身体的な原因もあります。ノイローゼやヒステリーなどの心理的要因、小さいものを見つめる職場や、照明、空調などの環境的要素もあります。そして原因がひとつのこともあれば、いくつかが複雑に関係している場合も少なくありません。

 治療は、眼精疲労を起こす原因を明らかにすることから始めます。遠視や乱視などの目の病気から起こるものは、メガネやコンタクトレンズでの矯正が行われます。すでに使用している場合でも、正しく矯正されているかを確認する必要があります。

 目の病気以外の場合は、それぞれの病気に対する治療を行います。

 眼精疲労は病気であり、眼疲労とは違って休息だけでは治りません。目を休めることも重要ですが、まず眼科で診断を受けて、適切な治療を行うことが大切です。

生活上の注意点

 現代の職場環境では、パソコンの画面を長時間ながめるなど目を酷使せざるをえないのが現状です。そのため、眼精疲労を起こしやすいともいえます。

 事実、最近ではパソコンやワープロの画面(VDT=ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)を長時間見続けるVDT作業により、眼精疲労になる人が増えています。この場合はVDT症候群といわれ、目の疲れやかすみ、頭痛、肩こりの症状がでるのをはじめ、気分が悪くなったり、吐き気を催すこともあります。ひどくなると、イライラしたり、優うつになったりと、精神的な部分への影響も出てきます。

 これを改善するには、まずVDT作業をする環境をチェックします。画面に太陽光や室内灯が映りこむとチラつきが出て、非常に目が疲れます。この場合、機器の配置をかえるなどで映りこみをなくしたり、画面フィルターの使用を検討します。

 環境全体を見直すことも必要です。適切な室温・湿度を保ち、換気をチェックします。照明も重要なポイントで、VDT作業をするときは手元だけを明るくしがちですが、これは逆に目を疲れさせます。部屋全体の照明を点け、さらに手元の照明を確保すると、目に対する負担はかなり軽減されます。

 作業時間も重要です。VDT作業を長時間連続して行うことは避け、意識的にまばたきをしたり、1時間に数分の休憩を取るようにします。休憩を取っているときには遠くの景色をながめたり、軽い体操をすることも心身ともにリラックスするためには必要です。また、目の機能を回復させるために、ビタミンB12を含む点眼薬や内服液を使用することも効果があります。参考として眼精疲労に効果的な食品をあげておきます。

眼精疲労に効果的な食品

 目に有効なビタミンは、まずビタミンAです。特にβ-カロチンは、ビタミンAが不足するとAに転換されるので大切です。他にB群、C、Eなどが効果的です。また、アントシアニンなど、目に確実に効果がある栄養成分を取ることも必要です。目のレンズの働きをする水晶体をはじめ、目の細胞を作っているのはタンパク質なので、こちらもきちんと取るようにします。タバコは網膜の血液循環を悪くし、アルコールの取りすぎは眼圧を上げるので、共に控える必要があります。過労、睡眠不足なども疲れ目の原因になります。体を充分に休ませることが大切です。

β-カロチン

 β-カロチンは目の粘膜の乾燥を防ぎ、網膜を健康に保つ「目のビタミン」であり、疲れ目の回復、視力回復、ドライアイ(眼球乾燥症)、夜盲症の改善に効果があります。β-カロチンを多く含む食品は、小松菜、にんじん、春菊、つるむらさき、マンゴー、ほうれんそう、びわ、かぼちゃ、菜の花など、緑黄色野菜と、黄色やオレンジ色の果物です。特に果実は、目の粘膜にいいビタミンCも同時に摂れます。

ビタミンC

 不足すると、白内障や緑内障にかかりやすくなります。水溶性のビタミンなので長時間水にさらしたり、加熱しすぎると効果が薄れてしまいます。グアバ、いちご、みかん、パパイア、キウィ、ブロッコリーなど、果実や青菜に多く含まれます。

ビタミンB1

 不足すると、疲れ目、目の調筋力が弱まる、明るいところが見えにくくなるといった症状が現れます。ビタミンB1を多く含む食品は、強化米、豚肉、うなぎ、ロースハム、落花生、かれい、大豆などです。白米を玄米や胚芽精米に変えると多く取ることができます。清涼飲料水、甘いお菓子、インスタント食品、アルコール、タバコなどはビタミンB1の消費を増やすため、摂りすぎに注意します。

ビタミンB2

 ビタミンB2は目のかすみ、かゆみ、光をまぶしく感じる、暗くなると見えにくい、ごろごろするといった症状に効果があります。ビタミンB2を多く含む食品は、うなぎ、レバー、魚、のり、納豆、鶏卵、牛乳、緑黄色野菜、ビール酵母、チーズなどです。脂質や糖質を摂取しすぎると、代謝に関与するB2も多く消費され不足するので、これらの摂りすぎに注意して、バランスのよい食事を心がけるようにします。

アントシアニン

 アントシアニンは、視神経の働きを支えこの色素の再合成を活発にし、疲れ目、視力向上、夜盲症、網膜炎などに有効な栄養成分です。一番多く含まれているのは、ブルーベリーです。他には、しそ、赤キャベツ、すいか、ぶどう、ハイビスカスやバラの花などに含まれています。アルコールと合わせると吸収率が良くなるので、ブルーベリー酒は最適です。花は、お茶やジャムにすることで摂取できます。


閲覧数:5回0件のコメント
bottom of page